事務所通信
2013年06月 10日 月曜日
競馬配当金と税金
記憶に新しいと思いますが、大阪の会社員が競馬配当金について、申告漏れを指摘され、裁判になりました。最終的に、当たり馬券購入費以外のはずれ馬券の購入費も必要経費に算入でき、当初指摘された課税額5億7,000万円から約10分の1の5,200万円に大幅に減額されました。
ただし、申告漏れが意図的であったことから懲役も確定しておりますが・・・。
さて、このニュースを見たとき私は、はずれ馬券の購入費も必要経費に入れることができるのであれば、かなり有利だなと感じました。本来は、当たり馬券に対する購入費用のみが認められていたわけで、”一時所得”として課税されるものです。
たとえば、1万円の馬券を購入して100万円当たった場合には、
{100万円 △ 1万円 △50万円(特別控除)}×1/2 = 245,000円
が所得となり、他の所得と合算して所得税が課されることになります。
今回の判決を考慮すると、他のレースの馬券購入費用が60万円あった場合には、61万円が経費と認められ、”雑所得”として課税することになります。
ただし、50万円の特別控除および1/2を乗じるのは一時所得のみで、雑所得にはございません。
一見、一時所得の方が有利に見えますが、年間を通したはずれ馬券購入費が必要経費になるのであれば、雑所得が有利になります。
今回の判決は、たまたま的中したのではなく、競馬ソフトを利用して継続的に運用していたことによる収入として、雑所得が認められることになりました。これはFXの収入に類似する観点から、そのような判決が下されました。言い換えると単純に馬券を購入して、たまたま的中するという娯楽要素が強ければ、以前のとおり一時所得として課税されることになります。
私もそうでしたが、この部分を勘違いされている方が多いと思いますので、注意してください。
投稿者 nextstageoffice