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2013年07月 29日 月曜日
ご存知のとおり、法人の役員は雇用保険に入れない、賞与を受け取っても法人の損金にならないなど、様々な問題があります。そこで、取締役〇〇部長など実質は使用人としての職務も行っているような人を対象として、”使用人兼務役員”が税務上認められています。なお、法人の代表、専務、常務や同族会社で一定の株式数を保有している者は使用人兼務役員にはなれません。
その使用人兼務役員について、問題となるのが退職金です。
退職金は、本来は退職する際に受け取るものですが、使用人から使用人兼務役員へ、使用人兼務役員から役員へと昇格していく中で支給することが考えられます。
まず、使用人から使用人兼務役員になった場合ですが、この場合には、兼務とはいえ役員になることから様々な責任がでてきます。その際に、使用人期間に応じた退職金を支払うことがあります。この退職金については、税務上損金算入して問題ないです。
次に使用人兼務役員が純粋な役員になった場合です。この場合には、たとえ使用人相当部分の退職金の支給であったとしても退職金とはせず、賞与(役員賞与に該当し、税務上損金算入不可)と認定されます。なお、使用人から使用人兼務役員になった時点で退職金の支給をしていないなどの要件を満たせば、使用人相当部分の退職金は認められます。
退職金は、支給側で損金となり、受給側でも税金が優遇されるといったメリットがある一方、きちんとした要件を満たさないと認められないことがあるので、十分注意してください。
投稿者 nextstageoffice
2013年07月 22日 月曜日
7月8日の記事で、平成25年の相続税の宅地の評価減についての改正のうち、二世帯住宅の要件緩和について触れました。
今回は、老人ホームに入居している場合の宅地の評価減の要件緩和について説明します。
宅地の評価減の規定については、7月8日の記事で触れておりますので、そちらでご確認ください。
さて、老人ホームへ入居していて、所有不動産が空き家の場合には、いつでも生活ができるように維持管理されている、老人ホームの所有権や終身利用権を有していないなどの要件を満たさなければ、評価減の適用はございませんでした。
介護のために入居したものである、空き家を貸付けていないなどの要件は従前通りございますが、前述の2点については、改正により無くなりました。
最近は老人ホームへの入居者が増えており、宅地の評価減で頭を悩ますこともありましたが、この改正により解消されました。
なお、この改正は、平成26年1月1日以降から適用されます。
投稿者 nextstageoffice
2013年07月 16日 火曜日
毎年7月に路線価が発表されますが、2013年分の路線価も7月1日に発表されました。
路線価は、主に相続税や贈与税の土地評価の際に使用するもので、一般的な時価の80%ほどの評価となってます。
これは相続税や贈与税を負担する人に対する評価の安全を図っていることが要因です。
路線価は、その年の1月1日現在の評価になりますが、半年かけて専門家が評価をし直して毎年発表します。物件の場所によっては、その路線価が高すぎる場合もありますので、その際は一定の減額措置がとられます。
こちらについては、また後日触れたいと思います。
さて、今年度の路線価はというと全国でみると前年比約1.8%の下落のようです。近年は毎年下落してきましたが、今年度の下落はましですがそれでも下落という結果です。アベノミクス効果で株価は一時期より上昇しましたが、1月1日現在の不動産価格には影響がなかったのだろうと思います。
ちなみに全国で一番高いのは、銀座5丁目で1㎡あたり2,152万円です。
過去には3,500万円を超えていたときもあるので、その時より下がりましたが、それでも高いですね。
1月1日以降の相続、贈与については、新路線価を使って評価することになるので、ご注意ください。
【国税庁ホームページ】
http://www.rosenka.nta.go.jp/
投稿者 nextstageoffice
2013年07月 08日 月曜日
平成25年税制改正により、相続税の宅地の評価減について改正がありました。構造上区分が分かれている一棟の家屋(いわゆる二世帯住宅)について、要件が緩和されました。
相続の改正といえば増税のイメージが大きいと思いますが、この改正は納税者有利なものですのでご安心ください。
本題に入る前に宅地の評価減について軽く触れておきます。一般的に相続があった場合の一番大きな財産は、”家”です。特に戸建て住宅の場合には、所有宅地が広くなるため評価額も大きくなります。
評価額が高いために相続税を支払うことになった場合には、自宅を売却して納税ということになりかねません。そのため、一定の要件を満たした場合には、最大80%の評価減が認められています。
さて、本題に戻りますが、二世帯住宅の場合の評価減について、改正前は、被相続人の居住部分のみに限られており、入口が別で各々独立して生活している場合の親族居住部分は評価減対象外でした。例外として、家の中を自由に行き来できるように階段をつけたり、扉をつけたりしている場合には評価減の対象となっていました。
今回の改正により一棟の建物である場合には、別区分であっても評価減の対象とされ、使い勝手が良い規定になりました。
なお、マンションなどの区分所有建物については、2つ所有していても被相続人が居住していた部分のみしか評価減の対象となりませんので、ご注意ください。
投稿者 nextstageoffice